ICU看護師の役割

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今回はICU看護師の役割についてです!

ICUの看護師ってどんなところ?ICUの看護師ってどんなことをしているの?って疑問がある人の参考になると思います

またICUにもEICU、GICU、CCUなど様々な種類のICUがあります

記事の中でも、ICUの種類について軽く解説しますが、僕が所属しているのは救急のICUであるEICUなので、記事の内容がそちらによるかもしれませんが、ICUとはどんなところかということは理解できるかと思います

EICUに興味があるという方はぜひ最後まで読み参考にして頂けると幸いです!

すな

ICUの特徴やICU看護師の役割についてお話します!

目次

ICUとは

まずICUとはどんなところなのか説明していきます!

ICUの定義

ICUとはIntencive Care Unitの略で「集中治療室」を意味します

集中治療医学会によると以下のように説明されています

集中治療室(ICU)とは、その集中治療にために濃密な診療体制とモニタリング用機器、または生命維持装置などの高度の診療危機を整備した診療空間をいう

要するに、生命の危機に瀕した重症患者を、24時間通じた濃密な観察のもとに、先進医療技術を駆使して集中的に治療する場所のこと!

ICUの特徴

重症な患者つまり、生命の危機に瀕した患者は入室するため、より集中的な治療や処置、モニタリングを求められる点が大きな特徴

対象患者

ICUでは手術後や事故後などにより容態観察が必要な患者や、呼吸器や循環器の疾患により呼吸・循環動態の機能不全に陥った患者など集中治療・管理が必要な人が対象となります

具体的には以下のような疾患です

  • 敗血症
  • 意識障害
  • 脳血管障害
  • ACS(急性冠症候群)
  • 弁疾患
  • 重症熱傷

内科・外科または診療科に関係なく様々な疾患の患者を受け入れるため、様々な疾患・症状の治療が行われます

ICUの配置基準

日本の医療は24時間看護じゃないの?と思われている方もいらっしゃると思います

しかし、一般病棟では患者7人に対して看護師は1人

中には心電図モニターなどを装着し管理されている患者もいますが、24時間つきっきりで観察する必要はありません

それに対してICUでは、患者2人に対して看護師一人以上を常時配置することが決められています

ICUでは、いつ容態変化するかわからない、または急変している最中で容態が不安定な患者が入室する特性上、24時間を常に状態をモニタリングする必要があります

日本集中治療医学会が公表している「集中治療室設置のための指針 2022年度改訂版」では、患者のケアレベルに応じて推奨される配置基準が示されています

患者の状態配置基準
新興感染症や多臓器障害に対するサポート時患者:看護師=1:1以上
小児患者、人工呼吸器装着患者、重要臓器不全患者などで単一臓器サポートが必要な場合患者:看護師=1~1.5:1
臓器不全からの回復期や術後など、臓器サポートが必要でなくても臓器不全のリスクがある場合患者:看護師=2:1以上
ナース専科さんのHP参照

さまざまな集中治療室

一言にICUと言っても様々なICUが存在します

入室する患者の特徴や看護配置が異なりますので、表にまとめてみます

種類日本語表記対象患者看護配置
ICU集中治療室重症患者・手術後の管理・救命処置が必要な患者2:1
EICU救急集中治療室救急搬送された集中治療が必要な患者2:1
GICU総合集中治療室内科・外科問わず総合的集中的な治療を要する患者2:1
SICU外科系集中治療室全身麻酔による侵襲の高い手術直後の患者2:1
CCU冠動脈疾患集中治療室肝疾患を急性発症し集中治療が必要な患者、心臓手術後の患者2:1
SCU脳卒中集中治療室脳卒中を急性発症し集中治療が必要な患者3:1
NICU新生児集中治療室低出生体重児や何らかの疾患がある新生児3:1
MFICU母体胎児集中治療室周産期においてハイリスクを抱える妊婦さんと胎児3:1
PICU小児集中治療室重症の小児患者、手術後の管理、救命処置が必要な小児患者2:1
ナース専科さん参照(一部改編)

上記の表のように様々ICUが存在します

上記のような集中治療室は、特定の疾患や患者の年齢、状態など、細かく条件が設けられており、対象の患者のICUよりも狭いです

細かい定義は病院によって異なっているように思います

ICU看護師の役割

ICUの看護師には、高度な知識や様々技術が求められます

ここではICU看護師の役割についてお話していきます!

患者の全身管理

ICU看護師の役割は、手術後や事故後、または重篤な状態にある患者の全身管理です

バイタルサインや心電図モニター、点滴のIN量や尿量やドレーンからの排液などにIN/OUT量の情報をもとに患者の状態を常に観察します

また医師の指示のもと、輸液ポンプやシリンジポンプなどで投与している薬剤の投与量の調整を行ったり、人工呼吸器をはじめとした生命維持装置の管理を行い患者の全身状態の管理を行います

バイタルサインや心電図モニターから患者状態を把握!患者の周辺機器の管理!

全身状態の観察とモニタリング・アセスメント

ICU看護師の重要な役割の一つが「異常の早期発見」

心電図モニター、フロートラックセンサー、人工呼吸器のグラフィックモニターなどから得られるデータと

患者の症状観察から得た情報や患者の疾患に関する情報などの様々な情報を統合しアセスメントすることが求められます

もちろん異常が起こらないことがベストではありますが、異常を早期に発見し患者の不利益を最小限にとどめる事が大切です

異常を早期に発見することがICU看護師の腕の見せ所?と言われたり?

異常の早期発見はICU看護師の重要な役割の一つ!

診療の補助

ICUでは傷に対する処置や気管切開、CV挿入、胸腔ドレーン挿入など様々な処置が行われます

看護師は物品など処置介助につき、患者の状態をモニタリング・アセスメントを行う必要があります

ICUでは様々な処置が行われる!そのため処置介助の知識・技術は必須!

日常生活の援助・身の回りのケア

ICUでは人工呼吸器、ECMOなど生命維持装置を使用している患者はたくさんいます

そのような装置を使用している患者は安静のためにも鎮静をかけていることがほとんどです

そのため患者は身の回りのことを自身で行うことができないため、看護師が清潔ケアを行ったり、口腔ケア、整容、体位変換を行ったりと援助を行っています

また、ICUでは人工呼吸器などを使用し会話ができない患者ばかりのイメージがあるかもしれませんが、普通に会話のできる患者もいます

ICUは特殊な環境でプライバシーに配慮された場所ではなく、24時間アラームが鳴ったり、周りのバタバタなどストレスフルな環境に患者がいることを理解することが大切です

そのため、プライバシーに配慮したり、不安やストレスを軽減できるような関りは必要です

ICUでは鎮静された患者は多い!そのため身の回りのケアは大切!

PICSを意識した看護介入

PICSとは集中治療症候群のことです

集中治療症候群とは、入室中あるいはICU退室後に生じる身体的・認知的・精神障害のことをいいます

ICU患者の長期予後のみならず患者家族の精神にも影響を及ぼすと言われています

ICU退室後の患者とお話をする機会があったんですが、このPICSを予防することの重要性を理解できた良い機会でした

ICUで働いていると、やはり目の前の患者に起きている事象に集中してしまい、患者のICU退室後の生活まで意識して介入することは難しいです

もちろんPICSのことは知識として理解はしていてもです

もちろんICUでは患者の生命を守ることが第一ですが、患者にはその時だけではなく人生があり、ICU退室後のことまで目を向けてケアすること・関わることが大切なんだと気付かされた良い経験でした!

PICSの意識した看護介入は大切!

家族看護

ICUに入室する患者は重症度・緊急度が高い状況にあり、患者本人や家族への説明や精神的な援助もICU看護師の大切な役割の一つです

患者本人も危機的状況にいますが、患者家族も危機的状況にあると認識することは大切です

特にEICUの場合は、突然の事故などで負傷してしまった時など、家族は「どうしてこなってしまったんだろう」「助かるのか」「今後はそうなるんだろうか」など様々な感情を抱いています

また面会時には患者の変わり果てた姿に驚きや恐怖を感じる家族もいます

そんな家族に寄り添い、現状を受け入れられるように関りをもつことが大切です

家族看護もICU看護師の重要な役割の一つ!

ICU看護師の主な仕事内容

続いては、ICU看護師の具体的な仕事内容について説明していきます!

全身状態の観察・管理

僕が所属するICUでは基本的に2時間ごとにバイタルサイン測定と症状観察を行っています

ICUの種類によっては1時間ごとのところもあります

また心電図モニターやフロートラックセンサーなど様々なモニタリング機器からの情報や輸液量や尿量、ドレーン排液の性質・量から患者の状態をアセスメントします!

その他にもICUでは創傷・熱傷創の処置介助など行います

  • 2時間ごとにバイタルサイン測定や体位変換
  • 心電図モニター、フロートラックセンサーなどのモニタリング
  • 輸液量や尿量、ドレーン排液の観察・管理
  • 創傷処置

高度な医療機器の管理・操作

ICUでは輸液ポンプ・シリンジポンプなどのほかにも、人工呼吸器・PCPS・CHDFなどの生命維持装置を装着した患者は多くいます

そのような高度な医療機器の管理も看護師の仕事の一つです

  • 輸液ポンプ・シリンジポンプ、人工呼吸器・PCPSなどの高度な医療機器の管理

清潔ケア

ICUでも一般病棟と同様に患者さんに対して清潔ケアを行います

ただし、ICUでは呼吸状態や循環動態が不安定な患者も多く、横を向けるだけ呼吸状態が悪くなったり、血圧が下がるなどの循環動態が崩れることは良くあるので、しっかりモニタリングしながら行うことが大切です

その他にも、清潔ケアの一環として、口腔ケア、爪切り、足浴なども行います

  • 清拭、口腔ケアなどの清潔ケア

入院の受け入れ

当院のICUはEICUであり救命センターの中に救急外来も併設されています

そのため救急外来からの入院患者をICUで受け入れます

受け入れ際しては、患者の疾患や状態に合わせてベッドの選択(マット)や医療機器の準備を行います

準備がきちんとできていると後が楽なので、準備は個人的には大切だと思っています!

  • 患者の状態に合わせてベッドや医療機器など入院の準備を行います!

家族のフォロー

EICUでは突然の事故や予期せぬ疾患の出現により入院する患者さんが多いです

患者のケアをするのは当然ですが、そのような患者の家族も同様に看護の対象です

家族の予期せぬ出来事に同様をしており、重篤患者を目の前にする家族の不安や精神面へのケアが必要です

  • 家族看護もICU看護師の重要な役割の一つ!

一般病棟への転科対応

患者の状態が安定すると一般病棟へ移動します

転科転棟に際して、いかにわかりやすくまとまった送りができるかは大切!

入院になった経緯や、疾患に対してどのような治療が行われ、治療の結果どのように状態が変化していったのか、このあたりをわかりやすくコンパクトにまとめられるかは重要かと思います

忙しい看護師に、丁寧なのはいいことですが、長々と送りをするのは嫌われます

かと言って、大事なことをはしょると、なぜそんな大事なことを言わなかったのかとなります💦

  • スムーズに転科転棟できるように準備することも大切!

まとめ

ICU看護師の役割と主な仕事内容について説明してきました!

読んで頂き、役割と主な仕事内容について理解して頂けましたでしょうか

役割と仕事内容をまとめると

ICU看護師の役割

・患者の全身管理

・全身状態の観察とモニタリング・アセスメント

・診療の補助

・日常生活の援助・身の回りのケア

・PICSを意識した看護介入

・家族看護

ICU看護師の仕事内容

・全身状態の観察・管理

・高度な医療機器の管理・操作

・清潔ケア

・入院の受け入れ

・家族のフォロー

・一般病棟への転科対応

ICU看護師の役割で触れたようにICUは、重症な患者つまり、生命の危機に瀕した患者は入室するため、より集中的な治療や処置、モニタリングを求められる場所です

看護師は上記のような役割を担い、具体的には全身状態の観察・管理、清潔ケア、処置介助などを行っています

重症な患者が多く、緊張感や緊迫感のあることもあるし、時には精神的にもしんどいこともあります。

しかし、その分やりがいもたくさんある場所だなと思うのが正直なところです!

この記事を読んで少しでもICUのことがわかった、興味がでてきたなど思って頂けたらな幸いです!

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